クロワッサン：その儚い層と、朝の優雅な崩壊現象について

クロワッサンとは

クロワッサンとは、バターをたっぷり練り込んだ生地を何層にも重ねて焼き上げた、三日月形のパンである。朝食の定番であり、そのサクサクとした食感と芳醇なバターの香りは、一日の始まりを優雅にしてくれる（はず）。

クロワッサンの魅力は、何と言っても背徳的なバターの風味だ。ダイエットを誓った翌朝でも、その誘惑にはなかなか勝てない。一口食べれば、口の中はバターの洪水。幸せな気分になる反面、カロリー計算を後回しにした罪悪感も味わえる。まるでジェットコースターのようなパンである。

クロワッサンは、その汎用性の高さも魅力の一つ。そのまま食べるのはもちろん、ハムやチーズを挟んでサンドイッチにしたり、チョコレートやクリームを詰め込んでデザートにしたりと、七変化するカメレオンぶりを発揮する。ただし、どんな風に調理しても、結局バターの味が勝つという不変の法則がある。

クロワッサンは、単なるパンではなく、一種のステータスシンボルでもある。カフェでクロワッサンとコーヒーを片手に新聞を広げれば、たちまち都会的な雰囲気を演出できる。ただし、実際には隣の席の人がスマホゲームに夢中で、誰もあなたのことなど見ていないというオチが付くことが多い。

クロワッサンのサクサク感は、現代社会における「儚さ」を象徴していると言えるだろう。焼きたては最高に美味しいが、時間が経つにつれて湿気てしまい、もはや別の食べ物と化す。まさに諸行無常。だからこそ、クロワッサンは焼きたてを味わうべきなのだ（そして、カロリーのことは忘れる）。

クロワッサンを食べる時は、その美味しさを噛み締めつつ、カロリーという名の未来の借金について考えるのはやめておこう。とりあえず、今この瞬間を味わうことが大切だ。