ゴーヤ – その苦味、まるで人生：でも、たまに美味しいから困る

ゴーヤとは

ゴーヤとは、ウリ科ツルレイシ属の一年生植物で、独特の苦味が特徴的な緑色の野菜である。沖縄料理でお馴染みだが、最近は全国のスーパーでも見かけるようになった…という売り文句は、もう聞き飽きたかもしれない。

ゴーヤは、夏になるとやたらと存在感を増す。家庭菜園で育てている人が「採れすぎたから」と押し付けてくる、夏祭り的な野菜である。あの苦味は、おそらく夏の暑さで疲れた体に鞭打つために必要な、何らかのメッセージなのだろう。もしくは、地球温暖化に対する、植物からの静かなる抵抗かもしれない。

ゴーヤはビタミンCが豊富だとか、カリウムが含まれているとか、栄養価が高いと喧伝される。しかし、あの苦味を克服して食べる価値があるのか、それは永遠の課題である。苦味成分のモモルデシンは、食欲増進効果があるらしいが、とりあえず砂糖醤油で炒めてごまかさないと、食欲は減退の一途を辿るだろう。

ゴーヤの最も一般的な食べ方は、ゴーヤチャンプルーだろう。豆腐や豚肉と一緒に炒めることで、少しは苦味が和らぐ…ような気がする。これは、野菜嫌いな子供に「栄養があるから」と言ってブロッコリーを食べさせる親の心理と似ている。ゴーヤチャンプルーは、ただのゴーヤ消費のための免罪符に過ぎないのかもしれない。

ゴーヤの苦味に耐えられない？大丈夫、世の中美味しいものはたくさんある。無理に食べず、スイカでもかじって夏を乗り切ろう。ゴーヤを愛でる人たちには、「苦味と共に生きていく覚悟」があるとでも言っておこう。