油揚げ：中に何も詰まっていないのに、なぜか偉そう？謎多き日常食材の生態

油揚げとは

油揚げとは、豆腐を薄く切って油で揚げた、日本の伝統的な食品だ。煮物に良し、味噌汁に良し、時には主役を張ることもできる、地味にして万能な存在である。

煮物のスポンジ担当

油揚げの最大の魅力は、その驚異的な吸水力、いや吸汁力だろう。煮汁をたっぷり吸い込み、噛むとジュワッと旨味が広がる様は、まさに「食べるスポンジ」の面目躍如。他の具材がただの具と化する中、油揚げだけが「汁まで味わえる具」という特別感を放つ。ただし、この吸汁力ゆえに、冷めると固くなるという弱点もある。そこがまた人間味（？）あふれる。

きつねうどんの名脇役…いや、もはや顔？

きつねうどんといえば、あの甘辛く煮込まれた油揚げ抜きには語れない。うどんのモチモチ、つゆの熱々、そして油揚げのジュワッと感。この三位一体があってこそ、真のきつねうどんは完成する。もはや脇役どころか、油揚げがいないきつねうどんは、まるで顔がないかのように寂しい。お揚げを最後に食べるか、最初に齧り付くかで、その人の性格がわかる…わけがないが、そんな哲学を語りたくなるほど、きつねうどんにおける油揚げの存在感は絶大だ。

貧乏から生まれたスター？

油揚げは、豆腐があまり日持ちしない時代の知恵から生まれたと言われている。昔の人は偉い。腐らせてしまうより、揚げることで保存性を高めるなんて、まさにゼロイチ発想力の勝利だ。そして、その揚げたものが、まさか現代においてこんなにも多様な料理で活躍するとは、当時の人々は想像だにしなかっただろう。まさに、貧乏から叩き上げられた成り上がりスターなのである。

意外とヘルシー疑惑

見た目は揚げてあるから高カロリーに見えがちだが、実はタンパク質豊富で意外とヘルシー路線も狙える。もちろん、吸い込んだ煮汁の糖分とか塩分とか、色々考慮すべき点は多い…が、そこはあまり深く考えないのが、美味しく油揚げを食べるコツである。だって美味しいんだもの。細かいカロリー計算なんて、美味しい油揚げの前では霞んで見えるのだ。