片栗粉：水に触れると豹変する、台所の二重人格者

片栗粉とは

片栗粉とは、デンプンを精製して作られる白い粉のことだ。料理にとろみをつける魔法の粉であり、揚げ物をサクッとさせる裏技アイテムでもある。

キッチンのでんぷんマジック

片栗粉は、中華料理やあんかけ、そして煮物など、様々な料理に「とろみ」という名の付箋を貼るスペシャリストだ。「あんかけパスタ」という禁断の扉を開けるのも良し、「麻婆豆腐が水っぽい…」という悲劇を救うのも良し。ただし、入れすぎると「固まりすぎてもはや餅」という悲劇に陥るので注意が必要だ。まさに、さじ加減が人生を左右する、キッチン版の綱渡りと言えるだろう。

揚げ物のサクサク請負人

揚げ物において、片栗粉はもはや相棒、いや、恋人だと言っても過言ではない。これをまぶして揚げることで、あの罪深い「サクサク感」が誕生する。鶏肉だろうが、魚介だろうが、野菜だろうが、片栗粉を纏えば、揚げ物の世界では一流の役者になれるのだ。ただし、衣が厚すぎると、ただのデンプン団子を揚げただけになるリスクもある。

かつての主成分、今は代役

かつて、片栗粉はその名の通り「カタクリ」という植物の鱗茎から作られていたらしい。しかし、現代の片栗粉のほとんどはジャガイモのでんぷんが原料だ。まるで、往年のスターが引退し、若手俳優がその役を引き継いだかのようだ。我々が普段「片栗粉」と呼んでいるものは、 사실상 (サシルサン：韓国語で「事実上」) 「ジャガイモ粉」なのである。この事実を知ったところで、キッチンでの使い方が変わるわけではないが、ちょっとした雑学として頭の片隅に置いておこう。

非常時の糊としても…

片栗粉は料理だけでなく、非常時に糊としても使える、という知識は知っているだろうか？ 水と混ぜて加熱するとあら不思議、立派な糊になるのだ。工作に使う子どもや、糊を買い忘れた大人の救世主となるかもしれない。ただし、食べられるからといって、間違っても「片栗粉糊トースト」など作らないように。食感も味も、想像を絶するものになるはずだ。

片栗粉サバイバル

片栗粉を極めれば、料理の失敗も減り、食卓はサクサクとろとろの世界に変わるだろう。ただし、使いすぎには要注意。全てを餅化する魔力を秘めているのだから。