エスニックとは
エスニックとは、元々は「民族的な」という意味を持つ言葉ですが、現代では主に料理、ファッション、音楽など、特定の地域や民族の文化的な特徴を持つものに対して使われることが多い言葉です。ただし、「特定の地域」がどこを指すのか、あいまいなのが玉にきず。
味覚の万国博覧会
エスニック料理という言葉を聞くと、まず思い浮かぶのは香辛料の刺激的な香りでしょうか。カレー、トムヤムクン、タコス…世界中の料理が、あたかも「異国情緒」という魔法の粉をかけられたかのように、私たちの食卓に並びます。しかし、ちょっと待ってください。「エスニック」って、いったい誰にとっての「異国」なのでしょうか?
ファッション・ガラパゴス
ファッションの世界でも「エスニック」は大活躍。鮮やかな色使い、独特の柄、手作りのアクセサリーなど、見るからに「異文化」を感じさせるアイテムたちが、私たちをおしゃれ上級者へと誘います。しかし、そうしたアイテムがどこで、誰によって作られたのか、想像することは少ないかもしれません。「地球に優しい」とか「フェアトレード」とか、聞こえの良い言葉で飾られていても、背景にある物語はしばしば闇の中です。
音楽のるつぼ、それとも文化盗用?
エスニック音楽となると、話はさらに複雑になります。民族楽器の音色、伝統的なリズム、異国の言語による歌…それらは私たちを遠い世界へと誘います。しかし、時には「文化盗用」という批判も。アーティストが敬意を払うことなく、安易に異文化の要素を取り入れることは、その文化を冒涜しているとみなされることもあります。音楽は国境を越えると言いますが、越え方にも作法が必要なのです。
誰得?エスニック
結局のところ、「エスニック」という言葉は、誰のための言葉なのでしょうか?それは、自分たちの文化を「標準」とみなし、それ以外の文化を「異質」と区別するための、便利なレッテルなのではないでしょうか。もちろん、異文化に触れることは素晴らしい経験ですが、その際には常に敬意を払い、安易なレッテル貼りを避けるべきでしょう。
エスニック・デトックス
エスニックという言葉を使う前に、ちょっと立ち止まって考えてみよう。「それ、本当にエスニックって言う必要ある?」と自問自答する習慣を身につけることが、真の国際人への第一歩かもしれない。
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